menu

実験動物から採取された材料を用いた組織標本作製依頼

当施設では、研究を目的とする病理組織標本の作製を請け負っております。

一部の工程のみ(ブロック作製のみ等)でも受託可能です。

受付

  • 液浸固定標本
  • 包埋済ブロック
  • 未染色スライド
  • 染色済スライド

ブロック作製

  • パラフィン
  • 凍結

薄切

  • 顕微鏡観察用
  • マイクロダイセクション用
  • 遺伝子解析用

染色

  • 一般染色
  • 特殊染色
  • 酵素染色
  • 免疫染色

撮影・解析

  • 蛍光撮影
  • WSI
    (Virtualスライド)
  • HALO
    (AI機能搭載解析ソフト)
受渡

受付 

検体が依頼内容に耐え得るかを確認の上、検体をお預かりします。

作業工程は不可逆的です。
特に液浸固定標本を提出される際は、研究者ご本人がお越しください。

研究者の研究情報保護を目的として、受付は予約制となっております。
予約・問い合わせ先はこちら

当施設で取り扱う検体は、固定液等で固定済みであることを原則としています。
組織の固定方法については、こちらをご参照ください。

「人体組織(研究目的に限る)」「ヒト由来細胞を含む材料」を提出される方は、
あらかじめお問い合わせください。

ページトップ

ブロック作製

受付時に伺った観察面に沿って、ブロックを作製します。

当施設では、以下の2種類に対応しています。
持ち込み抗体を使用した免疫染色をお考えの際は、あらかじめ
使用される抗体のデータシートをご確認ください。

なお、未固定組織の凍結ブロック作製はお受けしておりません。

パラフィンブロック 凍結ブロック

常温で半永久的に保管することができます。
通常、3~4μmの顕微鏡標本が作製でき、
観察・撮影時の焦点が合い易いです。
56℃程度のパラフィンに浸漬するため、
脂肪組織や一部の抗原が消失します。

凍結保管が必要な上、保管中は組織の乾燥が
進むため、長期の保管には向きません。
6~10μm前後の顕微鏡標本になり、
細胞が多少重なって見えます。
パラフィンブロックでは消失してしまう
脂肪組織や抗原などの観察に用います。

その他
TMAブロック作製 大型組織標本作製

パラフィンブロックを円柱(コア)状に抜き取り、集約して1ブロックとして再包埋します。

大型組織のパラフィンブロック作製も可能です。
マクロ観察用ガラス標本作製も承っております。

ページトップ

薄切はくせつ

ブロックを薄切し、スライドガラス等に貼り付けます。
当施設以外で作製されたブロックの薄切も承ります。
薄切面の指定や、指定間隔での多段階薄切(ステップカット)にも
対応しております(別料金)。

未染色スライドをご希望の際は、薄切条件(※)を確認いたします。
以下を参照の上、目的に応じた薄切条件をご指定ください。

※ 薄切条件 : “切片厚” ”スライドの種類” ”乾燥・保管方法”

切片厚せっぺんあつ

観察対象や使用目的によって、標本の厚さを変更できます。

パラフィンブロック 凍結ブロック
顕微鏡観察用 その他(DNA抽出用など)
通常、3~4μmに薄切します。 5~10μmに薄切します。
組織によって、5μm×2枚と
なる場合もあります。
6~10μmに薄切します。
スライドの種類

薄切した切片を貼り付けるスライドガラスには、以下の種類があります。
持ち込みスライドの場合は、受付時にご持参ください。

剥離防止コーティング 無し 剥離防止コーティング 有り 持ち込みスライド
(フィルム等)

スライドガラスから剥離させる
目的の際に使用します。

例:DNA抽出

形態的観察に用いる際に
使用します。

例:免疫染色

左記以外は当施設に
用意がありません。
受付時に必要枚数分を
ご持参ください。

例:マイクロダイセクション用
専用フィルム

乾燥・保管方法

スライドガラスへの貼り付け後は、57~58℃前後で1晩静置します。
58℃以外での乾燥をご希望の際は、その旨をお伝えください(別料金)。
標本作製の目的が核酸抽出などの場合、品質保持のため常温での乾燥をお勧めします。

乾燥後は室温で保管します。4℃での保管も可能です。

ページトップ

染色

顕微鏡で観察しやすいように、組織を染色します。
染色実績に記載がない際は、事前にお問い合わせをお願いいたします。

一般染色

細胞の”核”と”細胞質”を染め分けるHaematoxylin & Eosin(HE)染色は、
組織形態を観察するために最も一般的な染色方法です。

HE染色の結果を基に、必要な特殊染色や免疫染色などが決定されます。

 

特殊染色

各種染色液を用いて観察対象を染め分けます。
染色実績に記載がない際は、事前にお問い合わせをお願いいたします。

【染色実績一覧】
軟骨染色 サフラニンO染色
トルイジンブルー染色
内分泌細胞の染色 グリメリウス染色
ゴモリのアルデヒドフクシン染色
フォンタナ・マッソン染色
脂肪染色 オイルレッドO染色
結合組織染色

膠原線維

  • アザン染色
  • マッソン・トリクローム染色
  • ピクロシリウスレッド染色

弾性線維

  • エラスチカ・ワンギーソン染色(EVG)
  • ビクトリアブルー染色
  • ワイギルドのレゾルシンフクシン

細網線維

  • 鍍銀染色(好銀線維染色:渡辺変法)
  • 過ヨウ素酸メセナミン銀染色(PAM)

線維素

  • 燐タングステン酸ヘマトキシリン染色(PTAH)
神経染色 クリューバー・バレラ染色
ビルショフスキー染色
燐タングステン酸ヘマトキシリン染色(PTAH)
細胞内色素の染色

リプフスチン

  • シュモール反応

メラニン

  • フォンタナ・マッソン染色
  • メラニン漂白法
無機物染色

カルシウム

  • コッサ反応

  • ベルリンブルー染色
多糖類染色

グリコーゲン、中性ムコ多糖類

  • PAS染色

酸性ムコ多糖類

  • アルシアンブルー染色

中性粘液

  • ムチカルミン染色
アミロイド染色 コンゴーレッド染色
ダイレクト・ファースト・スカーレット染色
細胞内病原体の染色 グラム染色
グロコット染色
チールネルゼン染色
ビクトリアブルー染色

※ 下線がひかれたものは、銀を用いた染色になります。

酵素染色

組織内に局在する酵素を染め分けます。
酵素染色を希望される際は、あらかじめお問い合わせをお願い致します。

免疫染色

免疫抗体を用いて、特定の抗原のみを染色します。
 ・免疫2重(3重)染色
 ・蛍光での発色
 ・特殊染色との重染色   にも対応しています。

当施設では、下表の抗体を用意しております。
その他の抗体については、研究者ご自身でお手配ください。
なお、抗体の購入について、当施設では斡旋しておりません。

抗体毎の染色条件の検討も受託しております。条件検討には日数を要します。ご了承ください。

抗ヒト抗体
(ヒトの組織および細胞用抗体)
抗マウス抗体
(マウスの組織および細胞用抗体)
AE1/AE3 CMV CD3
Amyloid A protein D2-40 CD31
Androgen receptor Desmin CD4
α-smooth muscle actin (α SMA) E-cadherin CD8
bcl-2 EGFR F4/80
Calretinin ER Ki-67
CD10 Foxp3
CD105 (endoglin) Glucagon
CD15 (Leu M1) Granzyme B
CD20 (L26) hCG (hCGβ) 抗ラット抗体
(ラットの組織および細胞用抗体)
CD25 Insulin
CD3 (PS-1) Ki-67 BrdU
CD30 (Ki-1, Ber-H2) LCA (CD45RB)
CD31 MMP9
CD34 Myeloperoxidase 全動物種 共通
(ヒト含むあらゆる動物種に適用)
CD4 Myoglobin
CD5 NeuN ssDNA
CD56 NSE (Neuron specific enolase)
CD68 p53
CD79a PGR Negative Control
CD8 PSA
CK AE1/3 STEM121 Mouse IgG1
CK18 Synaptophysin Mouse IgG2a
CK19 Thyroglobulin Mouse IgG2b
CK20 TTF-1 Mouse IgM
CK5/6 UCHL1 (CD45RO) Rabbit IgG
CK7 Vimentin Rat IgG2a
c-kit (CD117)

作業は「VENTANA DISCOVERY ULTRA」または用手法で実施します。

ページトップ

 

撮影・解析 

蛍光顕微鏡での撮影

当施設では簡易型の蛍光顕微鏡を用意しております。
観察時の波長などは変更できません。

詳細な観察をご希望の方は、医学研究支援センター共用利用機器の活用をご検討ください。
https://support-center.med.kyoto-u.ac.jp/SupportCenter/

 

Virtualスライド化(WSI取り込み)

組織標本のデジタル化を承っております。
破損・褪色の心配がなく、多人数での供覧が容易となります。

データの受渡に使用するUSB接続ストレージデバイスは、依頼者がご用意ください。

 

画像解析ソフトウェア HALO

染色標本の画像解析ソフトウェア「HALO」をご用意しております。
解析の際は、依頼者ご自身で操作していただきます。
https://www.indicalab.com/halo/ 
ページトップ

 

受渡

作業が完了しましたら、メールにてお知らせいたします。

スライドガラスのお渡し時には標本箱を貸与いたしますので、
2週間以内のご返却をお願いいたします。
返却不要の標本箱もご用意しております(有料)。

VENTANAは、スイスおよび他の国々で登録されたF. Hoffmann-La Roche AG.の登録商標です。
HALOは、米国および他の国々で登録されたIndica labs Inc.の登録商標です。